前科者


店内に入ると薄暗く、客はまだも入っていなかった。
まっすぐカウンターの方に進み、背の高い椅子に腰をおろした。
まだ元嫁は出勤しておらず、
若いバーテン2人とホステスらしき者が
1人いたのを私は覚えている。

真夏の7時は明るく、店もまだ開店していなかったようだ。
私は家を出る前に気合酒を3杯引っかけてきた。
その酒がボチボチと回りかけてきた。

私がママの元旦那とはまだ誰も感づいてはいない。
カウンターに腰をけたのを見て、ホステスらしき者が私の前に立った。

しかしこの女性が私の顔を見るなり、顔色を変えた。

薄暗い中、この女性をよく見ると私も見覚えのある娘だった。
夜化粧をしていたのですぐには分らなかったが、
以前子供のベビーシッターをしてくれた、元嫁の親戚娘である

私は黙って周りを見渡した。
眼が薄暗さに順応してきたのか、バーテンダーの顔もハッキリと見えた。

しかしやくざらしき人間はそこらにはいなかった。
少し拍子抜けした感じでもう一度周りを見ていた。

あの若いバーテンの1人が私と養子縁組をした、元嫁のだった。


ホステスらしき娘が
『天野さん、ですよね?』
と聞いてきた。
私を確認したかったのだろうか?

と分かってからは皆の態度は変り、
店をたりたりと目まぐるしく動きだした。

たぶんママのにも情報が入ったに違いないと私は思った。

かけの時のひや酒がグルグル回り出してきた。
その上、この店で呑んだ酒も加わりテンションは上がりだした。

そしてたりたりしていたもう1人のバーテンをまえ、
『ママは、いつ来るんやー』
聞いたら、このバーテンが云った言葉に私は超ムカついた。

酔っ払いのオッサンと思ったのだろうか、横暴な云い方に私は爆発した。

,6発はったでしょうか、もう止まらなくなり
ボックスのテーブルや椅子、ありとあらゆる物をばした。

そしてこのセリフを忘れなかった!

『やくざでも、なんでも呼んで来いよ!!

怒鳴り散らし、くったのである。

時間
経過は丸っきりえていないが、
私が期待していた通り、バタバタと10人位の人間が飛んできた。

息はあがり、肩で息をするほど暴れていたので
私はあっと云う間にその者らにさえられ、袋叩きになった。

しかしその者らはやくざではなかった。

体のデカいマルの刑事ばかり、私はすぐおになりました。

そこは奈良一の繁華街、新大宮のど真ん中
7台のパトカーがパテライトを回転させ
店の前を
やかにらしていた。

周りは野次でごった返し
凶悪犯でも
逮捕といった異様な様相に
私はパトカーに乗せられる時に目にした。


私に反省はあったのでしょうか〜、
いも戻った朝、体のあちこちがかった。

長い調書を取られていたがあまり反省の色はなかった思う。

いや逆にモヤモヤが切れてある意味、りがんだ気がした。

決していとは云えない行為でも
私はこれでいいんだと納得できたかも知れない。

でちゃんと受ける心構えはできていた。
だから取調
べでも簡単で全てを話す事はできた。

世間
検事はきっと男として最低の嫉妬だと
取られたかも知れないが私はそれでもよかった。

ぼろぼろにされたプライドだけは、
自分自身てたと思ったに違いない。

しかし元嫁は何故か私を告訴をしなかった。

これは私を気遣っての配慮ではなく、
もうこれ以上私とわりたくない証しであった。

取調官
も殴った被害者には会いに行くな、
元嫁にもこれからは会うな!ときつくを押された。

だから前科一犯を科せられる事はなかった。

そして48時間で私は釈放されることになったが
身元引受人見当たらなかった。

あの人にもうか、この人においしようかと悩んだが
恥ずかしくて中々決められなかった。

そこで思い出したのがあの飛び蹴りのヒロコだった。

でも今回はもう来てくれないと思ったが、
ヒロコはさすが凄かった、やって来てくれたのだ。

ホンマにこの時は有難かった。
しかし今回もまた大きな借りを作ってしまった。

そして又、ワンルームから引越しである。
今度はヒロコも一緒なって探してくれた。
たぶん魂胆があったのでしょう。

私はあんたの身元引受人やからと
いつもその事をカサに私をすのです(笑)

でもマンションには独身者は入居できない、
それを知ってか、ヒロコは婚約者と勝手に決めていた。

そして同居人欄に名前をねたのです。
でもこれしか賃貸できないので仕方なかった。

ヒロコにとって今度こそ、
邪魔
のない生活をれる事ができたと思った事でしょう。
これで元嫁の事はもうめもついたが、
たえず子供の事が気がかりであった。

ヒロコとるより子供一緒りたい、
いたいと思う心がくて仕方なかった。

元嫁は子供には逢わさないと分かっていただけに
余計そう思えてならなかった。

少しでも気をらわす為と生活の為に、
仕事をそうとしたが地元ではあの事件が新聞に掲載され、
私は有名になりすぎて働くさえ見つからなかった。

そこで私の教え子の店で雇ってもらった
おやっさんの為やったらと心よく了承してもらえたが
しかったが本音でした。

仕事にもやっとりつけたが、
頭の中は子供に逢いたくて仕方なかった。
これってなんなんでしょうね〜、
がままとしか云えないのかなぁ〜、

子供
う小学校の近くで遠くから眺めた事もずいぶんあった。
この小学校は離婚後すぐ入学式の式場に元嫁と出席したの小学校だった。

一番可愛りのが頭に浮かび
見ずにはいられなかった。

こんな事ばかり考えていた私は、
ヒロコと同棲するも愛情のない生活にしかならず、
彼女は怒ってばかりの日々を送った。

愛想
かしたヒロコは3ヵ月もしない内に出て行った。

ヒロコとは本当に相性が合わなかったのかも知れない。

結局ヒロコはまた犠牲者になったのである。

〔 ホンマに私は悪いですねぇー 〕

ヒロコも出て行きまた一人になった私は
今度はこんな行動で騒ぎを起こしてしまった。


つづく