私を変えた 凄い女性


くも膜下出血で倒れ生還できた母がまた倒れた。
退院して1年後の出来事でした。

もう今回は手術ができない状況であった。
後は天命を待つしかない。

でも私を育てて呉れたお礼は伝える事が出来た。

それだけがせめてもの救いだった。

状況は以前とは違った状態に、いつどうなるか分からない。
日々、緊張が漂った。

その上、いつまで続くか分からない状況に、
仕事と看護の板挟みに合う事になっていく。

全ての歯車が狂いだした。

もう普段の生活ではなくなってきていた。

3ヶ月4ヶ月と長引く病状に、
介護してくれる親類もだんだんと減ってきた。

不器用な父は、自分には母の介護は
できないとサジを投げた。

妻は子供と店で忙しく、母の看護まで
本当に手が回らなかった。

父しか居ないのに、状況を分かってくれない。

母に対する愛情が薄いのだろうか、

『俺にはどうしても付き添えは出来ない』
と云うのだ。

(自分の嫁さんではないですか、
介護ぐらいしてあげてくれよ~)

とお願いもしたが無理だった。

家政婦を雇って対処するしか方法がなくなった。
こんな時、兄弟が居たらと思えた。

父は、元々ボンボンで育てられたせいでしょうね、

母の体ひとつ拭いてやる事ができない人でした。

その上、人様に頭を下げる事さえできない。

でもうろたえる父を見ていると可哀想で
お願いはしても責められなかった。

2、3ヶ月がヤマ場と云われたが
半年を過ぎても小康状態は続いた。

家族はバラバラ、家庭もガタガタ、
妻も私の云う事さえ聞いてくれなくなった。

もう私にも限界がきていたのか?
心を癒す場所すら、なくなっていた。

母の病状が変わる度、
店を閉める日が度々でき、
心にポッカリ穴が開く日々が増えていった。

そんな時、その心を癒してくれる
女性が出現したのである。


その女性が後の2回目の妻であった。

ゆえにこの女性の話をしなければならない。

この女性の出逢いでこれから私の人生が
大きく左右して行った。

これも私の運命なのでしょう~ね
良いか、悪いかは皆様の判断に委ねますが・・・

でも私自身、決して良いとは思っていなかった

たえず心の中で格闘をしていたが
結局私は、負けてしまった。

1
回目の妻と築き上げた全てのものと
信用まで失い、寿司屋まで潰した。

自己破産でした。

その中でも一番のミスは、妻と離婚をした
事かも知れません。

初めて離婚に直面した時、こう思った。

離婚には物凄いエネルギーがいる事を初めて知った。

経験のある人は分かると思いますが

本人が悩み苦しむのは当り前だが、
妻や子供への大きな裏切りは計り知れない。

特に私の場合、知恵遅れの長女がいたから尚更です。

そんな事を神様は許すはずがありませんよね。

神はこれから私に色んな悲劇を与えた。

さぁーそれはどんなものをもらい、私を襲ったのか、
それはとてつもない大きな罪の代償であった。


この女性は、私の1年上の高校の先輩でした。

私はこの女性と逢うなりに、何故か惹かれて行った。

この女性も後輩という安心さからすぐに親しくしてくれた。

彼女には何処か癒される感でどんどん奥へと進みだした。

近くで喫茶店を営み頑張っていたので暇をつくっては、
「お茶をシバキ」に私は行った。

忙しい時でも彼女は私に安堵の場を与え、
私の心の穴を埋めてくれた。

こんな事がキッカケで、私はだんだん彼女に惹かれ
恋に堕ちて行くのでした。

いつしか私は彼女の家にまで招かれるまでになった。

心が不安定な時、たった1つの安らぎの場を
彼女は与えてくれたんだと私は錯覚してしまった。

闇の中で私は自分だけ安寿の場を求めていたのかも知れません。
これは決して、誉められるものではなかった。


日々、生と死を直面しなければならない私には
その安らぎこそが支えであると思い込みをしていた様である。

長引く母の闘病生活に妻までが協力を惜しみ、
愛情さえ感じられなくなっていた時でした。

私に兄弟でもおれば少しは救いにはなったが、
一人っ子で育った私にはこの境遇に勝てる力などなかった。

そんな時、私の心を知ってか知らずや
彼女は上手に私を包んだのである。

私はホント、情けなく弱い男ですネ、

この辛さから逃げたかっただけでしょう

そんな時、私は週1度か2度、彼女の家に行った。

夜食も作ってくれ至れり尽くせりの持て成しに
苦しい事など忘れ、心を和ませた。

その時によく聴いた曲がダンシングオールナイトだった。
そんな時代なんです。
そしてその時、産れた初めて彼女が作ったピザと云う物を食べた。

彼女は当初、日参する私をセーブしてくれた。
嫁さんを気遣っての事だろう、

しかしそれは初めだけだった・・・。

『週に1・2度でいいから~きてね』って

言っていた言葉が、日がたつに連れて
一日行かなくなっても怒りだしたのである。


彼女は私を束縛するまでになって行くのです。


でも私は離婚など一切考えてもいなかった。


元々離婚など、芸能人がする事で
他人事の様に私は捉えていたからだ。

まだウブな時だったのです。

彼女を愛していたし好きだったが、
今は心が癒されるだけで私には充分だった。

彼女はバツ1の2人の子連れ、私は初婚で2人の子持ち。

今は、家庭もバラバラ・ガタガタになってはいたが、
離婚をするまでの考えなど全然なかった。

しかし今から思えば私のとった行動は
本当に身勝手な行動である。

先に彼女へアタックし、その気にさせておきながら
自分は離婚など微塵も思わないなんって、

それはないでしょう・・・ね!

なんて勝手な奴はいなんでしょう~

そんな態度に彼女は遂にキレた!

今度は彼女の方からアクションを起こした。
それも強力な必殺剣である。

それは全てを暴露した事で全てが急展開した。


そんな時、神様は私に1つのシグナルを出した。

それは私が日参していた彼女の団地が
大火事になり全焼した事だ。

それも火元は彼女の自宅からだった。

テレビ、ラジオでもニュースになったぐらい大きかった。

しかし私はどこまで運のいい奴なんだ、

あれほど毎晩通っていたのにその日に限って行っていなかった。

もし行っていたら、私は焼死していたでしょうね、

身元不明者でテレビに出ていたでしょう…

『あなたはホンマ、運のいい人やね』

と妻が皮肉たっぷりげに私に云った。

彼女も着の身、着のままで逃げ難を逃れた。

彼女の子供もその日は実家に行っておりみんな無事だった。

逆にこの事で二人の仲に火を付けたのかも知れませんね。


火事の不始末は一生末代まで続くと聴かされていた私は、
彼女が気になって今度は私が彼女を助ける番になった。

火事後の始末や新たな住居も一緒になって探してやった時には
もう同棲するハメになっていった。


神様は、この火事を吉祥に別れる様に計らってくれたのに
凡人の私はそんな事など分からなかったのである。

そして遂に神様は怒りました。

無難に送ったシグナルを私は無視してしまったのです。


そして今度は・・・、
怖~い試練が私を襲ったのです。


つづく