これが第二の人生だった・・・

この女性に遭遇し離婚した事でこれからの人生は大きく変わった。
その後、波乱に満ちた生涯を私は送る結果になって行く。
でもそれは当然、私が選んだ道だから何があっても仕方ない。

しかし当時の私には、
そんなものなど見えるわけがなかったし想像もしなかった。
たのしい第二の人生があると期待していた。

裸一貫になった私は彼女の家に転がり込んだが
仕事もせずに酒浸りでした。
11年間共にした妻と離婚した罪悪感と
子供と別れた淋しさからか何も手につかなかった。

がむしゃらに働いてきた今までが嘘の様に思えた。

そんな私に彼女は何も云わず、ただやさしく私を包んでいた。
バツイチ経験者だからできたのかと思ったが
嫁から私を奪った優越感の方が勝っていたように思う。
それが彼女のプライドだった。

入籍を求められる事もなく、私は助かった。
結婚はもう別れた子供の為にしないと決めていた。

籍なんてただの形のものじゃないか、
別れる時は別れるんだ。

子供の為に別れないと云ったって
結局は自分の方を取ってしまった、悪い父親でした。


だからもう籍なんてどうでも良かった。

しかし彼女は私によく尽くしてくれた。
酒浸りの私に文句一つ云わずに耐えてくれた。

だから私もある日を境に以前のように働きはじめた。

ダンプに乗ったり土方をしたり、テキヤまでやった。
これが私の第二の人生かと思ったが、
そんな時、ある寿司屋から私にオファーがあった。

そうこうしていると今度は私にスポンサーまでついた。
何と云うラッキーな事だったか、
私はこの時、彼女があげまんの様に思えた。

しかしこの良妻賢母
これからの私をダメにして行ったのである。


又、私はがむしゃらの様に働いた。
3件の仕事を掛け持ち無我夢中になって働いた。
今までの穴を埋めるかの様に働いた。

決してお金の為に働いていた様には思わない。
働く事が私の生き甲斐だったに違いない。

お金は彼女が管理していたので何の心配もなく、
要る時はいくらでも彼女は出した。

今までのように、金の工面をしながら商売するのと違い
仕事の事だけを考え、気楽に働けた。

仕事は精一杯やるがの事はて彼女に任せ、
私は何もしなくなって行った。

お金の段取りだって彼女が全てを切盛りした。

正にさん女房である。

店を何軒も出し、好き放題きて行ったのである。

私の体験上こうして頑張っている時には
必ず女性
ができてしまう。

これは一種の病気かも知れません。

でもその都度、彼女が全部その芽を摘んで行くのである。

私を責めるのではなく、相手を潰すのである。

せっかく仲良く親しくなったのに、
急にみんな私から離れて行く。

何度かおかしく思ったが、それは全部彼女の仕業だった。
私のそばにスパイをおいていたから筒抜けだった。
凄い女性だったと今になって思う。

その中のひとりに、
私が後に”愛の女神”と云った女の子いた。

この子も当然のく、彼女はしにかけたが、
この子も気性が強く今までの様にはいかなかった。

その上、私が本気だっただけに彼女は、手こづった。

この子を愛おしく感じていた私は、彼女と別れようとまで思った。

それをいち早く察知してしまった彼女は急変した。

これはヤバいと察知した私は、
彼女から逃げる事を決断をし、家出を敢行する。

彼女も又ヤバイと感じたのか、やっきになって私を探し始めた。

前妻
の時よりも今回は女前面に出していたように私には見えた。

彼女は入籍
をしなかった事を今回で後悔したのかも知れない。

慌てふためき、がさへんでぇーと
わんばっかりに私を探した

前妻から奪い取っただけに、奪われる不安が彼女にはあったはずだ。

その時はもう愛情ではなく、
ただのプライドだったのかも分かりません。


その上、その時の私はお金を稼ぐマシンだった。
だから余計、逃がしたくなかったと思う。


私は友人宅で身を潜め、逃げる手段を考えていたが
どうしても要る物があって
家へ帰らなければならなくなった。

彼女が家にいない時間帯を見計らい、忍び込む事にした。

マンションの周りは薄暗く、あちらこちらに灯りが燈りかけた頃、
我が家に灯りがないのを確認して私はドアを開けた。

灯りのない部屋は薄暗く、誰も居る気配はない。
早く要る物を持ち出そうと居間に入った時である。

電気も灯さずに座布団の上に彼女が座っているではないか、
マサカの光景に腰が抜けそうになったが、
彼女もびっくりした様相だった。

お互い言葉が出てこなく、気まずい空気が漂った。

『別れるから~荷物だけ取りに来た!』

その言葉を云うのが、精一杯だった。

素早く荷物をまとめ彼女の座ってる前を通ろうとした時である。
彼女は私の足に縋り付いた。

そして『 行かんといて~ 』と私の足を離さない。

あの寛一お宮を思い出すワンシーンに私は戸惑った。
気性の荒いこの彼女に
こんな一面があったとは想像もつかなかった。

そして涙まで見せたのである。
(鬼の目にも涙、上手く云ったもんだ!)

寛一だったら、その手を足で振り払ったのだが、
私にはその勇気もなく、彼女の手中にハマった。

その辺が優柔不断な私だった。
その時、もし蹴っていたら違った人生を歩んでいたし
これから味わう悲劇も来なかっただろうと
こればかりは後に後悔した。

宿命と云ってしまえば済むが、
やはり私が造ってしまったのかも知れません。

この娘とはこれで終わりと思われる処だが、
何故か強い縁で結ばれた。

でもこれは縁ではなく、因縁の様に思う。


その娘のあだ名は【すずめ】、
ピーチク・パーチクと
にぎやかな娘だからそう呼ばれていた。

そしてそのあだ名がのちに
ある出来事に出てしまう結果となった。

そして【すずめ】とその後こんな事が起こるのです。


つづく